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巷で話題のRecotteStudio(通称:レコスタ)の体験版を触ってみました。
この動画編集ソフトは、ボイスロイドを発売している「株式会社AHS」が今月発売する”ボイスロイド動画制作”に特化した…と言えるぐらい、ボイスロイドとの連携を便利にした動画編集ソフトです。
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どれぐらい特化してるの?
実際、どれぐらい特化しているかと言うと…
- ボイスロイドキャラクターの2D立ち絵&3D立ち絵のプリセット内蔵
- 上記プリセットに対して、口パク瞬き対応
- レコスタとボイスロイドのソフトが連動し、音声データ自動読み込み
- 上記と同時に字幕を自動生成
既にボイロ動画を作った事がある人からすると、これを見ただけで「すげぇ~!!!!便利じゃん!!!!」ってなるレベルかと思います。
現状、2D立ち絵で口パク瞬き対応し、挿絵的なシーンで3Dモデルを使ってボイロ動画を作ろうとした場合、一般的には…
- 2D立ち絵の口パク瞬き対応をAviutl(無料動画編集ソフト)上でプラグインをインストールし、立ち絵を改造する(割と面倒)
- Aviutlでメインとなる動画部分を編集する(割と面倒)
- ボイスロイドソフトにて、セリフ打ち込み&話速や句読点や発音のアクセントなどを調整(ゲロ面倒)
- 上記音声データをAviutl上にシーン毎に読み込ませて、手動でテキストにて字幕生成(自動でやってくれるツールも有るけど、基本単純作業で面倒)
- MMDという3Dモデルを扱うソフトにて3Dモデルのポーズorモーション生成(重力設定との闘いが辛い)
- 上記3DデータをAviutl上にてクロマキー処理(イメージと違った場合、手順5に強制送還される)
- 苦労して出来上がった動画が全然再生数伸びなくて死ぬ。
こんな感じでしょうか。
ボイロ動画を作るのに何が手間っていうと、ソフトウェア間の往復などだったりもするので、その苦労がマウスをポチポチするだけで完結出来るレコスタは、マジでボイロ動画の”苦行”部分を出来るだけ取り除いてくれる編集ソフトという感じです。
実際に作ってみた動画
先月、ニコニコ動画で夏恒例の「ひじき祭」が行われ、出る予定が無かったのですが、最終日の夜の22時頃に火が付いてレコスタ縛りで作ってみました。
上記動画は、レコスタとボイスロイドのソフトのみで作りました。
3Dモーションなんて自分で作ってやろうとしたら、絶対2時間で出来ないですね…。
優しいUIで、未経験者へのハードルを下げる?
次に目についたものとして、編集ソフト内の表示が「直感的に分かりやすくなっている」という事でした。
動画編集を始めた場合、最初の壁である「専門用語」と「ソフト内の機能の把握」に心を折られそうになる人が多いと思います。
自分もそうでしたw
先程登場したAviutlやプロ御用達のAdobe製の編集ソフトは、基本的には文字のみの項目がズラァ~っと並んでいるんですが、レコスタは項目ごとに画像やキャプチャ映像がセットで表示されるモノが多いので、用語が分からなくても何となく見れば内容が把握できる様になっています。
自分は動画経験があるとは言え、何の説明も無しにGoogle先生に頼らずとも動画1本作る事が出来たので、かなり「優しいUI」だなっと感じました。
AHSさん的にも「ボイスロイドを買ってもらうには」を考えた時に、多分「実用するまでのハードルが高い」という所を気にしているのかなと思うので、初心者の人にも「自分でも出来そう」って思ってもらえるようにする気持ちがこもっているのかなと感じます。
現状での不満
まぁまだ製品版発売前なので、今から文句を言うのもアレな気はするんですが…
- ソフト内でのショートカットキーが、よく分からない。
- 立ち絵プリセットと、プリセットに付与出来るモーション等が少ない。
- よくクラッシュして落ちる。
これぐらいですかね…。
■ショートカットキーに関しては、動画編集の回数を重ねていくと時短テクニックが欲しくなってきます。
マウス1つで簡単操作は、慣れてくると逆に遅い事に気付く時が…きっと…来ると思います。
実際ボイロ動画編集は、6時間掛けて5分の進捗という事もざらにあるので、必然的に時短テクは欲しくなってきます。
多分まだ用意されていないだけ…だと信じているので、製品版に期待します。
■プリセットとモーションの少なさに関しては、これも製品版では増えていると思うので、あまり気にしないで良いのかなと思います。
しかも、AHSさんの公式放送で外部ファイルを読み込めるツールも制作しているとの事なので、製品版発売後は有志の方々がレコスタに合わせたモデルやモーションを制作して配布して頂けるようなら、今後とてつもなく良いボイロ動画編集ソフトになるのではないかと思います。
■クラッシュする。
これも製品版では(ry
AHSさんは、ボイスロイドに関しても発売後に改修パッチなどを配布していたりするので、発売した後でも徐々に改修されていくと思います。
実際、買いなの?
- ボイスロイドを喋らせて動画を作りたい
- ボイスロイドにカワイイ動作をさせたい
- ”動画制作”自体に本腰を置きたい訳じゃないけど、ボイロ動画を作ってみたい
上記に当てはまる人は、買いかなと思います。
あくまで、このソフトはボイロ動画に重点を置いているので、「自分でエフェクトを色々使って演出を作ってみたい」とか「動画制作業界に興味がある、そこに繋がる技術が欲しい」という考えがある場合は、あまりオススメじゃないかもしれません。
編集ソフトの乗り換えって、思ってる以上にエネルギー使うんです。。。
今までフォークで食事をしてた人間が、箸に持ち換えるぐらい苦労します。
(個人的感覚)
既に別の動画編集ソフトになれている人は、正直物足りない感はあると思います。
自分も正直なところ買おうか悩んでますが、3Dモデルの取り扱いが楽なので、いつものソフトで編集→3D演出部分だけレコスタでやるっていう手もありなのかなぁ…とも考えてみたり…?
個人的なまとめとしては、今後のボイロ動画界隈が確実に盛り上がっていくツールになるかなと、半ば確信しています!
今まで2D立ち絵がメインだったものが、このソフトによってボイロの3Dモデルを使うハードルがかなり下がったので、新しい風になるんじゃないかなーっと思います。